ピッツバーグに80万5000人:1日目から記録を塗り替え続けた3日間

ピッツバーグ・ドラフト会場の様子ピッツバーグ・ドラフト会場の様子

注目 | #Pittsburgh #Attendance #Record

史上初めてピッツバーグで開催された2026 NFL Draftは、観客動員の面でもリーグ史に刻まれる3日間となった。Day 1(1巡目)には、それまでの1日目記録だった2年前のデトロイト(27万5000人)を大きく上回る32万人が会場に集結。North Shoreエリアはもちろんアクリシュアスタジアムとポイント州立公園にも人が溢れ、開場前からキャパシティに達する勢いを見せた。そして3日間の累計は80万5000人に達し、2024年デトロイトが打ち立てた70万人超の記録をも塗り替える史上最多動員を達成した。

「ピッツバーグには初めて来たけど、空港の係員がほとんど全員Steelersのジャージや2026ドラフトのグッズをつけていて、街全体がドラフト一色の雰囲気だったのに驚いた。試合のときも盛り上がるけど、ドラフトはお祭りの雰囲気が強くて独特だね」——日本から現地参加したNFLファンのAmes氏はそう語った。なお次回2027年のNFL DraftはワシントンD.C.のNational Mallで開催される予定だ。

出典: Pittsburgh sets record with 320,000 present for first night of draft (NBC Sports) NFL says draft in Pittsburgh set attendance record (ESPN) Pittsburgh sets NFL Draft attendance record with 805,000 fans over 3 days (Yahoo Sports)


Fernando Mendozaが全体1位:史上4人目の「三冠」QBがRaidersへ

解説 | #FernandoMendoza #Raiders #No1Pick #Heisman

Las Vegas Raidersは2026 NFL Draft全体1位でIndianaのQB Fernando Mendozaを指名した。Mendozaは2025年シーズンに16勝0敗の無敗記録を達成し、Heisman Trophy・College Football Playoff全国優勝・全体1位指名を同一年に制覇。Cam Newton(2011)、Jameis Winston(2015)、Joe Burrow(2020)に続く史上4人目の「三冠」達成者となった。3,553パスヤード・48タッチダウン・6インターセプト・QBレーティング90.3という成績は、例年ならば文句なしの全体1位クオリティであり、事前の予測通りの指名だった。

GM John Spytekは「今後二度とドラフト1位指名を持つことがないよう結果を出さなければならない」と強調した。Pro Football Referenceの指標で2000年以降NFL最低のドラフト成績を持つとされるチームにとって、Mendozaの獲得はフランチャイズ本格再建の象徴だ。攻撃部門新人王のオッズでもMendozaは最有力候補として挙がっており、2026-27シーズンへの期待は高い。

出典: Raiders draft Fernando Mendoza No. 1: The pick that must end decades of draft failure (CBS Sports) Raiders Get Their Guy: Las Vegas Drafts Fernando Mendoza with No. 1 Pick (Fox Sports) Raiders draft QB Fernando Mendoza with first overall pick (Yahoo Sports)


JetsがDay 1で3選手を指名:Bailey・Sadiq・Cooperで一気に戦力強化

注目 | #Jets #DavidBailey #1stRound #TradeUp

New York Jetsは2026 NFL Draft 1巡目で異例の3選手を指名し、今ドラフトで最もアクティブなチームの一つとなった。全体2位ではTexas TechのエッジラッシャーDavid Bailey(2025年14.5サック・Big 12 Defensive Lineman of the Year・満場一致のAll-American)を選択。16位ではOregonのTE Kenyon Sadiq(51キャッチ・560ヤード・8TD)を獲得し、San Francisco 49ersとのトレード(33位・179位を放出)で30位に上がり、IndianaのWR Omar Cooper Jr.と1巡目3選手指名を完結させた。

Bailey指名ではOhio StateのArvell Reeseを2位で獲るとの予測も多かったが、Jetsは手術を経て評価が急上昇していたBaileyを選択。Fox SportsはBaileyの指名にA評価を与え、守備部門新人王レースでもBaileyはOhio State勢を抑えて最有力候補に名前が挙がっている。

出典: Jets take David Bailey at No. 2, then Kenyon Sadiq, Omar Cooper Jr. (Yahoo Sports) Meet David Bailey, the Edge Rusher the Jets Took at No. 2 (Fox Sports)


Notre DameのRBが2人1巡目へ:Jeremiyah Love 3位、Jadarian Price 32位

解説 | #JeremiyahLove #JadarianPrice #NotreDame #RunningBack #PositionalValue

「RBに高い指名権を使うな」という主張への反論が、2026年もまた示された。Arizona Cardinalsは全体3位でNotre DameのRB Jeremiyah Loveを指名する。RBがトップ3で選ばれるのは、2018年に全体2位で指名されたSaquon Barkley以来だ。Loveは2025年シーズンに1,372ラッシュヤード・18ラッシュTD(6.9ヤード/キャリー)を記録してDoak Walker Awardと満場一致のAll-Americanに選ばれ、総タッチダウン21はJerome Bettisを上回るNotre Dameのプログラム記録となった。

1巡目最後の32位では、Seattle Seahawksが同じNotre DameのRB Jadarian Priceを指名し、流出したKenneth Walker IIIの穴を埋めた。チームメイトだった2人が同じドラフトの1巡目でそろって指名されるのは、AFL・NFL合併以降で初めてとなる。Spotracのルーキー賃金スケールによると、Loveの契約は4年5,050万ドル・平均年俸1,260万ドルと見込まれる。RBの価値をめぐる議論は、この年も選手たちのプレーに委ねられることになった。

出典: Cardinals draft Jeremiyah Love No. 3: Highest RB pick since Saquon Barkley (CBS Sports) Notre Dame's Jadarian Price, Jeremiyah Love: first teammates as first 2 RBs (Yahoo Sports) Seahawks take RB Jadarian Price with final pick of first round (NBC Sports)


Ty Simpson 13位:フロント主導の決断にMcVayは「ここはStaffordのチーム」

ドラマ | #TySimpson #Rams #McVay #Surprise

1巡目で最も驚かれた指名はRamsから出た。Los Angeles Ramsは全体13位でAlabamaのQB Ty Simpsonを指名する。ドラフト前の評価ではおよそ33位相当とされていた選手を、大きく上の順位で選んだ形だ。ベテランMatthew Staffordの後継者として評価したSnead GMは、将来を見据えたチーム構築を理由に挙げた。Stafford本人には事前に指名の意向を伝えていたとされる。一方で現場のMcVay HCは指名直後の会見で言葉少なに「ここはStaffordのチームだ」と強調し、13位でのQB指名への戸惑いを隠さなかった。

Simpson本人も事前の接触がほぼなかったと明かしており、フロント主導のこの決断はSuper Bowl制覇を直近の目標とする現場の補強方針との乖離を浮き彫りにした。各メディアの評価は真っ二つに分かれ、今年ドラフトで最も賛否を呼んだ指名として記録される。

出典: Rams select Alabama QB Ty Simpson No. 13 overall (CBS Sports) Surprise! Rams Draft Alabama QB Ty Simpson with 13th Overall Pick (Fox Sports) Decoding Sean McVay's tense press conference reaction after Rams baffling Ty Simpson pick (CBS Sports)


Makai Lemonが20位:Steelersが電話している最中にEaglesが先んじる

ドラマ | #MakaiLemon #Eagles #Steelers #Trade

Philadelphia Eaglesは宿敵Dallas Cowboysとのトレード(23位・114位・137位・7巡218位を放出)で全体20位に上がり、Biletnikoff Awardを受賞したUSCのWR Makai Lemonを獲得した。ところが、この指名の瞬間に珍事が起きる。Lemonは開催地チームであるPittsburgh Steelersから「全体21位で指名します」という電話を受けている最中で、その通話中にEaglesがトレードアップして先に指名してしまったのだ。Steelersは急遽プランを変更し、21位でArizona State大のOT Max Ihianachorを指名したが、この一連の流れには解説者やファンから厳しい声も上がった。

苦い1日目になったSteelersだが、2日目は動いた。Indianapolis ColtsとのトレードでAlabamaのWR Germie Bernardを47位で指名し、3巡ではPenn StateのQB Drew Allarも獲得して攻撃陣を中心に手を打った。現地で観戦していた日本人SteelersファンのMC79氏は「トレードアップの瞬間は盛り上がった」と2日目の手応えを語っている。

出典: Eagles trade up with Cowboys, take USC WR Makai Lemon (Yahoo Sports) NFL Draft Video Shows Eagles Taking Makai Lemon As He Was Talking to Steelers (FOX Sports)


兄弟の絆:FalconsのTerrell兄弟、BrownsのFano兄弟

感動 | #TerrellBrothers #FanoBrothers #Family #Falcons #Browns

2026年ドラフトは兄弟の再会ストーリーに事欠かない3日間でもあった。Day 2でAtlanta Falconsは第2巡48位でClemsonのCB Avieon Terrellを指名し、すでにチームに在籍するAll-Pro CB A.J. Terrellとのブラザーコンビを実現させた。2人はAtlantaのWestlake High SchoolとClemsonで青春を共にした間柄。A.J.はかつて「弟には自分自身のストーリーを歩んでほしい」と別チームへの指名を望んでいたが、発表の瞬間には兄弟が抱き合って涙を流したという。CBSはFalconsのドラフトにA+を与え、Terrell兄弟の加入でアトランタのCB陣は一気にリーグ屈指の布陣となった。

Day 3では別の兄弟ドラマが生まれた。Cleveland BrownsはUtahのOL Spencer Fanoを全体9位(1日目)で指名した後、ドラフト終了後にその兄Logan FanoをUDFAとして契約。2人はUtahで3年間チームメイトとして戦い、NFLでも同じユニフォームを着ることになった。ACLを2度断裂しながら5年間の大学生活をやり遂げたLoganと、1巡目上位で指名された弟Spencer。叔父4人もNFL経験者というFano家の系譜が、Clevelandで一つになった。

出典: Falcons draft Avieon Terrell, pair him with brother A.J. Terrell (CBS Sports) Avieon Terrell joins brother A.J. Terrell after being drafted by Falcons (Yahoo Sports) After drafting Spencer Fano, Browns sign his brother Logan Fano (NBC Sports)


QBたちの明暗:Beck・Allar・Nussmeierのスライド、そして未指名のHeisman次点Pavia

ドラマ | #QBClass #CarsonBeck #DrewAllar #GarrettNussmeier #DiegoPavia

1巡目で選ばれたQBは全体1位のMendozaと13位のSimpsonの2人だけで、それ以降は長いスライド合戦になった。Arizona CardinalsはDay 2最初の指名(3巡65位)でMiamiのQB Carson Beckを選択。Georgiaから転校してナショナルタイトルゲームへチームを導いた実力者だが、球の強さへの懸念とUCL損傷の既往歴が順位を押し下げた。Pittsburgh Steelersは3巡76位でPenn StateのQB Drew Allarを指名。Allarは2025年に左足首骨折で手術を要した影響もあり、大きく評価を落としての3巡指名となった。

7巡249位まで落ちたのは、かつて1巡候補とも評されたLSUのGarrett Nussmeierだ。9人のQBに先を越された末に、Kansas City Chiefsが指名した。さらに意外だったのがハイズマン賞次点のDiego Pavia。Fernando Mendozaに次ぐ得票を集めながら、身長5フィート10インチ未満という計測値が影響し、全257指名が終わっても名前が呼ばれなかった。ハイズマン最終候補が指名を受けなかったのは2014年のJordan Lynch以来だ。またPaviaはJon Gruden主催のQB Campで「エージェントはいない」と話していたが、NFLPAの記録では1月時点で契約していたことが分かり、その食い違いも話題になった。

出典: Cardinals take QB Carson Beck at No. 65 (NBC Sports) 2026 NFL Draft: Penn State QB Drew Allar goes to Steelers as possible Aaron Rodgers heir (Yahoo Sports) Chiefs select LSU QB Garrett Nussmeier late in seventh round (NBC Sports) Diego Pavia is the first Heisman finalist to go undrafted since 2014 (NBC Sports)


Logan Jones 57位に「Heinzケチャップ生涯無料」:ピッツバーグ開催ならではの特典

注目 | #LoganJones #Heinz #Pittsburgh #Bears

ピッツバーグ開催ならではのユニークなエピソードも生まれた。Chicago Bearsが57位でIowaのセンターLogan Jonesを指名した瞬間、Heinzから「Mr. 57」の称号と生涯ケチャップ無料供給という特典が授与されたのだ。ピッツバーグに本拠を置くHeinzが実施するこの企画は、1994年のボトル形を模したラベルの「57 Varieties」にちなんだもの。2025年シーズンに500スナップ以上を消化しながらプレッシャーもサックも一切許さなかった、FBSで3人しかいない稀有なセンターの一人だ。「ドラフトはどこでやっても街全体が変わる」という体験を象徴するような、ご当地ならではの小さな祭典だった。

出典: Why the 57th overall NFL draft pick will get this tasty perk free for life (CBS Sports)


松澤寛政、RaidersとUDFA契約:日本人初のNFLプレーヤー誕生へ前進

注目 | #KanseiMatsuzawa #Japan #UDFA #Raiders #Kicker

2026年ドラフト後、日本のNFLファンにとって特別なニュースが届いた。Hawaii大学のK 松澤寛政(通称「The Tokyo Toe」)がドラフト指名を受けなかったものの、Las Vegas RaidersとUDFA契約を結び、日本人初のNFL選手誕生に向けた第一歩を踏み出したのだ。松澤は2025年シーズンにFBS記録に並ぶ最初の25本連続成功を含む27本のフィールドゴールを決め、Hawaii校史上最多のFG成功数を記録。Lou Groza Award(全米最優秀キッカー賞)の最終候補にも選ばれた。

その経歴は異色そのものだ。日本生まれの松澤はアメリカンフットボール未経験の状態からYouTubeの動画で独学でキッキングを習得し、Ohioのコミュニティカレッジを経てHawaiiへと進んだ。現時点でRaidersに所属するKは、プロボウル選出歴のある8年目のMatt Gayのみ。松澤がトレーニングキャンプとプレシーズンの競争を勝ち抜いて正キッカーの座をつかめるかどうか。日本のNFLファンにとって、この夏最大の注目点になる。

出典: Raiders sign kicker known in Tokyo (Yahoo Sports) Matsuzawa signs with Raiders as undrafted free agent (Japan Times)


最終指名はRed Murdock:NCAA記録を持つ「Mr. Irrelevant」

まとめ | #MrIrrelevant #RedMurdock #Broncos #BrockPurdy

全257指名の最後、Denver BroncosがBuffaloのLB Red Murdockを全体257位で指名し、2026年のドラフトが終わった。Murdockは名ばかりの最終指名者ではない。NCAAの通算強制ファンブル記録(17回)を持ち、最終シーズンには142タックル・5サック・6強制ファンブルを記録している。

2022年のMr. IrrelevantであるBrock Purdyが49ersのフランチャイズQBとしてNFC西地区優勝とスーパーボウル出場を果たしてから、この称号は自虐的な冗談から期待混じりのものへと変わった。Murdockはその期待を背負ってプロに入ることになる。1日目から動員記録を更新し続けたピッツバーグの3日間は、最初の指名から最後の1人まで、どこで話が生まれるか分からない3日間でもあった。

出典: 2026 NFL Draft: Meet This Year's 'Mr. Irrelevant,' Buffalo LB Red Murdock (Fox Sports) Broncos make Buffalo's Red Murdock Mr. Irrelevant with final pick (Yahoo Sports)