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ツール開発

2026NFLドラフトの「トラッカー兼プロスペクトデータベース」を作ってみた

Ames · 2026年4月23日


2026NFLドラフトの「トラッカー兼プロスペクトデータベース」を作ってみた

いよいよ明日はNFLドラフト本番! ドラフトの日って、プロスペクトの情報事前に見まくっている人はいいと思うのですが、僕は(特に2日目以降の)選手をほとんど知りません。その結果、

NO/SFが指名したこの選手誰だ?
→ ESPNでカレッジの成績を調べる
→ Google検索でコンバインの記録を調べる
→ YouTubeを開いて「選手名 highlights」で検索する

みたいな過程を踏んで選手のことを知るわけですが、これが結構面倒…。どのサイトも重いし、情報も散らばっています。 そこで**「成績、身体測定の結果、ハイライト動画などが全部まとまっていて動作が軽いドラフトボード」**を目指して、思い切って自分で作ってみました。

NFLドラフト トラッカー&プロスペクトデータベース
2026 NFLドラフト指名をリアルタイムで追跡。選手データ・ハイライト動画付き。
ames-nfl.com

このツールは要約すると

  • 当日は指名された選手がボードに埋まっていく、チーム別の指名選手、ラウンド別の指名選手も見られる
  • ボードや選手一覧クリックすると、その選手のデータ(写真、年齢と学年、コンバイン記録、ハイライト動画)が確認できる(注:コンバイン不参加などでデータがない選手もいます)

というツールです。 軽くポストしたら結構反響があったので、説明書的に以下では開発経緯も。ただ興味ある人だけで大丈夫です。

1. ボードの初期デザイン:Claude Design

今回作る気になった理由の1つが、Claude DesignというAIがサイトのデザインをしてくれる新ツールがリリースされたことです。どうしてもAI感が強い似たような見た目のツールばかりになるのが解消されるそう。デザイナー的には微妙という声もありますが、芸術の素養が全くない僕よりは絶対良いので使ってみることにしました。

ESPNやPFFみたいなドラフトボードを作りたい。ラウンド別、チーム別の表示切り替えができて、指名や選手をクリックしたら詳細が出る形式。モダンなデザインで。

こんな無茶振りを投げてみる(もう少し細かく指示しましたが)と、色々質問された後で次のように3通りデザインが返ってきました。

普通のAIよりはだいぶ凝ってる。いくつの案を提示するかも設定できる普通のAIよりはだいぶ凝ってる。いくつの案を提示するかも設定できる

既になかなかいい、というか自分でやってたら無理。情報量多くしたいので3番目が良いと思い、そこからチームカラーをつけたり微調整を3回くらいAIとやり取りして以下のベースデザインが完成(僕の$20/月のプランでは3回くらい指示出すと週間制限に到達)。ここまで10分くらいです。

デザインの基本ほぼ最終版と一緒デザインの基本ほぼ最終版と一緒

2. 選手データ:以前作ったコンバイン分析ツールを応用

デザインはとりあえずこれで、次に選手のデータが必要です。 これも一からやると大変ですが、実は以前コンバイン分析ツールというのを作っていて、今年のプロスペクトのcombineとpro-dayのデータは取得していました (「Rueben BainってEdgeの中でどのくらい異様に腕短いんだろう」「ポジションによってどれくらい身長と体重違うんだろう」「この選手と似た身体能力の過去の選手誰だろう」的な疑問をグラフで可視化できる調べられるツールです、やや上級者向けですが)。

これを作る際にお世話になったのはデータアナリストのRay Carpenter氏が公開しているデータセット (https://github.com/array-carpenter/nfl-draft-data)。2006年以降のCombineとPro-dayデータ一覧を公開してくれています。コンバインのデータセットというのは結構色々落ちてるのですが、Pro-dayも含むのと、Arm lengthとかの測定系も含んで、使用に制限をかけてないのは本当に貴重。ちなみにCarpenterさんはなぜか2026年4月現在2700人しかXでフォロワーがいないですが、多分分析がニッチすぎる(例: シェイプシフター (Senior BowlとCombineで進退計測値が食い違ってる選手) 分析とか)のが原因。本当にもっと評価されるべき。 さらに素晴らしいのが、このデータにはESPNの選手ID(選手ごとの番号)が入っているんですね。この数字使えばESPNの選手ページ(カレッジの成績載ってる)と写真ページが出せるので、ここへのリンクをデータから自動生成可能

MendozaのidはURLにある4837248。これがデータセットに入ってるので、「https://www.espn.com/college-football/player/_/id/4837248」と打てばこのカレッジ成績ページが出せるし、「https://a.espncdn.com/combiner/i?img=/i/headshots/college-football/players/full/4837248.png」を埋め込めば写真が埋め込めます。MendozaのidはURLにある4837248。これがデータセットに入ってるので、「https://www.espn.com/college-football/player/_/id/4837248」と打てばこのカレッジ成績ページが出せるし、「https://a.espncdn.com/combiner/i?img=/i/headshots/college-football/players/full/4837248.png」を埋め込めば写真が埋め込めます。

さらに、プレイヤーランキングはTamagoさんのビッグボード…も考えたのですが、以前の記事で紹介した**コンセンサスビッグボード(色々なビッグボードを総合的に考慮して作ったビッグボード)**にしました。コンセンサスビッグボードも色々あるのですが、Wide LeftのArif Hasan氏が公開しているTop 300のリストが好きなのでこれを採用。さらにMock Draft Databaseのランキングを301位以降に付け足して、全730プロスペクト(!)のボードにしました。UDFAまで全部カバーできそう。

そして、このコンセンサスランキングをコンバインデータと結合してデータが完成(ここがやや面倒。NickとNicholasとか、Jr.の有無とか表記揺れ選手が出てきて手動対応)。あとは、コンバインの数値だけあっても分かりにくいかということで、同ポジション内の順位を数値と色で表示してます。

青>緑>黄>赤で、青とか緑が並んでれば身体能力高いんだなと思えば大丈夫です。青>緑>黄>赤で、青とか緑が並んでれば身体能力高いんだなと思えば大丈夫です。

※ 数値はアメリカでよく使うpercentileというやつで、慣れてないと分かりにくいですが95thというのは上位5%。例えば上のEli Stowersの40ヤード走4.51 (95th)というのは、過去20年にcombineとpro-dayで計測したTEのデータの中で、Stowersより遅いのが95%、Stowersより速いのが5%(つまり95th=上位5%)という見方です。

3. ハイライト動画:Pythonで自動取得プログラム

これでCombine、カレッジ成績、写真は完成。あとは、実際に選手の動画が欲しいのでこれをyoutubeから埋め込む。 ただ流石に300人調べて動画埋め込むのはきついのでプログラムを作りました。youtube-search-pythonというPythonの既存プログラムを利用して、「選手名 + highlights」で検索させました。ただこれが、2024年のハイライトとか1試合のハイライトとかを拾ってきてしまって(そういう方が再生数が多いため)意外と難しい。そこで

  • 1年以内に投稿された新しい動画に限る
  • タイトルに「full college」や「career highlights」といった単語が含まれていればスコアを加点

みたいな工夫を色々することで、なるべくカレッジキャリア全てとか最新の2025年シーズンのハイライトを取得。最終的に、上位300人くらいはほとんど通算または最新年度のハイライト動画がちゃんと取れていて、結構いい出来に仕上がりました。

大体は2025年のハイライトが引っかかる、例外のJermod McCoyは2025全休。大体は2025年のハイライトが引っかかる、例外のJermod McCoyは2025全休。

※ ちなみに、この過程はいつも通り9割5分vibe codingでやってましたが、Antigravityが書いたプログラムに自己満足する(Fernando Mendozaの動画が取れないみたいなレベルのプログラムを書いて「究極の検索」とか自画自賛してた)ので、やや腹が立ってBLEACHの某科学者みたいなノリで強めに詰めてしまいました。

一見反省してるけど、直した後、「(ユーザー様のお言葉をお借りするなら)1人の例外もなく目的のコンテンツが取得できた状態」です、とか言ってきた。メンタル強い。一見反省してるけど、直した後、「(ユーザー様のお言葉をお借りするなら)1人の例外もなく目的のコンテンツが取得できた状態」です、とか言ってきた。メンタル強い。

4. 当日の指名の更新:Supabaseデータベース

残る課題は、当日ドラフト中にこのボードを埋める方法です。手動(僕が選手名打ち込む)か自動(定期的にWikipediaとか見に行って、指名された選手の情報を取得して反映)か、おそらくどちらでも可能なのですが、とりあえず1巡目(1日目)は安定感を重視して自分が手動で打ち込む予定です。 今回は「Supabase」というリアルタイム通信に強いデータベースを使いました。裏側の管理者画面で私が「1位:Fernando Mendoza」みたいに入力して保存するとアプリが参照しているデータベースが書きかわって、サイトを見ている人の画面が(再読み込みなしで)更新され、スロットが埋まります。便利。

管理者画面(左側)に選手名を入力(トレードも入力可能)すると、公開のアプリ画面(右側)に反映される管理者画面(左側)に選手名を入力(トレードも入力可能)すると、公開のアプリ画面(右側)に反映される

ただ…一点だけ懸念が。今回実はテレビの前ではなく現地会場(ピッツバーグ)でドラフト観るのでタイムラグがほぼゼロで、下手したらSchefterとかRapoportより早い超絶ネタバレドラフトボードになってしまう。現地で出てから5分後くらいに更新することにしようか。逆に人が多くて電波悪かったら全く更新できなくて、それもやや不安。 (※なお、2日目以降はフルで見ないし数が増えるので、Wikiなどから自動取得するプログラムを回すか、Liveではなく夜に一括で流し込む予定です)

4/28追記:1日目2日目はライブ配信見ながら手動で更新(やや早かったらしい)。3日目はWikipediaを5分に1回見に行って更新するプログラムを作ってもらった

5. 完成

という過程を経て一通り完成。 730人全員は厳しく、下位の選手のカードはほぼ白紙ですが、ドラフトで指名されそうな上位300人(+Kansei Matsuzawa)のデータはある程度形になってるはずです。ギリギリで申し訳ないですが、良かったら明日から使ってください!(来年はもう少し早くに公開して、Mock Draft Simulatorを兼ねたり、プロスペクトの動画見て評価する人とかにも使ってもらう予定)

NFLドラフト トラッカー&プロスペクトデータベース
2026 NFLドラフト指名をリアルタイムで追跡。選手データ・ハイライト動画付き。
ames-nfl.com

【次回予告?】 今回のシステム、実は図鑑機能については現役選手でも同じことできるんですよね。NFLはnflverseという頻繁に更新されてるデータベースがあってカレッジ以上に最新データは簡単に取得できる。ということで、NFL Player Databaseもどこかで作る予定です。新加入選手のハイライトとかパッと見られたらいいですよね。時期は未定ですが(トレーニングキャンプスタート時?ロースターカット時?)。 他にもリクエストなどあれば、XのDMフォームから送ってください!

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