- 試合: 2017年2月5日、Super Bowl LI。New England Patriots対Atlanta Falcons(NRG Stadium)
- 28–3の瞬間: 第3クォーター残り8分31秒、Matt RyanからTevin Colemanへの6ヤードTDパスでAtlantaが25点差をつけた
- 逆転: New Englandはそこから31点を連取し、28–28でSuper Bowl史上初の延長戦へ持ち込んだ
- 決着: 延長の最初のドライブでJames Whiteが2ヤードTD。Patriotsが34–28で勝利した
- 記録: 25点差からの逆転はSuper Bowl史上最大。「28–3」はFalconsの失速とPatriotsの大逆転を同時に示す記号になった
スーパーボウル年表のSuper Bowl LIでは、試合概要、Game Center、Julio JonesとJulian Edelmanの名プレーもまとめて確認できる。
NFL公式のTom Bradyハイライト:
Tom Brady's Amazing Super Bowl LI Comeback(NFL公式) — YouTube で見る ↗1. Atlantaが試合を支配した前半
Super Bowl LIは、New England Patriotsにとって9度目、Atlanta Falconsにとって2度目のSuper Bowlだった。PatriotsはTom BradyとBill Belichickの時代に5度目の優勝を狙い、Falconsはリーグ最多得点のオフェンスを率いたMatt RyanがレギュラーシーズンMVPに選ばれていた。[1][2]
第1クォーターは0–0。しかし第2クォーター、Devonta Freemanの5ヤードTDラン、RyanからAustin Hooperへの19ヤードTDパスでAtlantaが14–0とした。さらにCB Robert AlfordがBradyのパスを82ヤードのPick 6にし、前半残り2分21秒で21–0。Patriotsは前半終了間際のFGで3点を返すのが精いっぱいだった。[1]
Atlantaの速さはオフェンスだけではなかった。守備はBradyへ圧力をかけ、短いパスにも素早く集まり、New Englandの長いドライブを得点に結びつけさせなかった。21–3という前半スコアは、一つの偶然のプレーではなく、攻守でFalconsが主導権を握った結果だった。
2. スコアが「28–3」になった瞬間
第3クォーター、Atlantaは自陣15ヤードから85ヤードを進んだ。RyanがTaylor Gabrielへ35ヤード、Julio Jonesへ9ヤードのパスを通し、最後はTevin Colemanへ6ヤードTDパス。残り8分31秒、スコアは28–3になった。[1]
FOX Sports: NFLが2020年3月29日(米国時間)に再掲した、ColemanのTDで28–3になった場面。[4]
ただし、試合はここで終わっていない。次のPatriotsドライブでBradyは5本のパスを通し、4th downも2度更新。James Whiteへの5ヤードTDパスで28–9とした。Stephen Gostkowskiのエクストラポイントは失敗したが、New Englandは初めてエンドゾーンへ到達した。[1]
3. 28–12から流れを変えたStrip Sack
第4クォーター、PatriotsはGostkowskiの33ヤードFGで28–12。次のAtlantaの攻撃は3rd&1となった。Dan QuinnとオフェンシブコーディネーターKyle ShanahanのFalconsはパスを選んだが、Dont'a Hightowerが右端からブリッツし、Ryanの腕を叩いてファンブルを奪った。New EnglandはAtlanta陣25ヤードでボールを得た。[1][3]
FOX Sports: NFLが2020年3月29日(米国時間)に再掲したHightowerのStrip Sack。点差だけでなく、フィールドポジションと試合の速度を一度に変えた。
Bradyは5プレー後にDanny Amendolaへ6ヤードTDパスを通し、Whiteの2ポイントコンバージョンで28–20。残り5分56秒で1ポゼッション差になった。NFL.comのBucky Brooksは、このStrip SackをPatriots守備の後半の調整が生んだ転機と分析している。これは公式記録そのものではなく、試合映像に基づく解説者の評価である。[3]
4. Julio Jonesのキャッチ後に失われた得点機
Atlantaは直後のドライブで反撃した。RyanがFreemanへ39ヤードのパスを通し、続いてJulio Jonesが右サイドライン際で27ヤードを捕球。両足を残したアクロバティックなキャッチにより、FalconsはNew England陣22ヤードまで進んだ。[1]
Julio JonesのSBサイドラインキャッチを名プレー集で見る
この位置を維持できれば、FGで2ポゼッション差へ戻す機会があった。しかし次のFreemanのランは1ヤード後退。RyanはTrey Flowersに12ヤードのサックを受け、続くパス成功もJake MatthewsのHoldingで取り消された。AtlantaはFG圏外へ押し戻され、残り3分38秒でパントした。[1]
Brooksは、Jonesの捕球後により保守的な進め方を選べばFG機会を守れたと論じた。だが結果を一つのプレーコールだけで説明することもできない。サック、反則、Patriotsの守備遂行、そしてAtlantaが試合を通じて使ってきた攻撃姿勢が連続して起きた局面だった。[3]
5. Edelmanのキャッチ、同点、史上初の延長
Patriotsの次のドライブでは、BradyからJulian EdelmanへのパスがAlfordの手に当たり、ボールが空中へ跳ねた。Edelmanは3人の守備選手に囲まれながら地面すれすれでボールを確保。リプレーでも23ヤードのキャッチが維持された。[1]
Julian EdelmanのSB執念キャッチを名プレー集で見る
Whiteが1ヤードTDを決めたのは残り57秒。BradyからAmendolaへの2ポイントコンバージョンも成功し、28–28となった。Super Bowl史上初めて延長戦へ入り、Patriotsはコイントスに勝って先攻を選んだ。BradyはWhite、Edelman、Chris Hoganへパスを通し、最後はWhiteが右タックル方向へ2ヤードを走ってTD。延長の最初のドライブだけで34–28の決着となった。[1][9]
FOX Sports: NFLが2020年3月29日(米国時間)に再掲した延長決勝TD。28–3から始まった31連続得点が完結した。
Bradyは62回中43回成功、466パスヤード、2TD、1INT。Whiteは14レシーブ、110ヤード、1TDに加え、ランでも2TDを記録した。[1]
6. なぜ25点差が消えたのか
大逆転には、複数の要因が重なっていた。
- Patriotsの攻撃遂行: New Englandは後半、短いリズムパスを重ねながら4th downを更新し、最後の6回の攻撃のうち5回で得点した。[3][9]
- Falconsのターンオーバー: HightowerのStrip Sackは短いフィールドから8点を許す直接の転機になった。[1]
- 得点圏からの後退: Jonesのキャッチ後、サックとHoldingでFG機会を失った。[1]
- 守備の消耗と層: Quinnは後に、Atlanta守備が終盤に5ドライブ連続で得点を許し、長いドライブを止められなかったことを挙げ、90プレー台を支える選手層が足りなかったと説明した。これはQuinn自身の後年分析である。[6]
- 時計とプレー選択: リード後もAtlantaがパスを選んだ判断は批判の対象になった。一方、成功していれば試合を決められる攻撃でもあり、敗因を「ランを選ばなかった」の一文だけに還元すると、Patriotsの守備とAtlantaの反則・プロテクション失敗が抜け落ちる。[3]
Quinnも2017年に「一つのプレー」ではなく、終盤の複数局面を振り返る必要があると説明した。大逆転はNew Englandの成功とAtlantaの失敗のどちらか一方ではなく、両方が同時に積み重なった結果だった。[5][6]
7. QuinnとShanahanはどう振り返ったか
2017年3月、QuinnはSuper Bowl LIの映像を「10回から15回」は見直したと話した。目的は敗戦を消すことではなく、何を変えられたかを検証し、失敗を引き受けて次へ進むことだった。[5]
当時AtlantaのオフェンシブコーディネーターだったShanahanは、San Francisco 49ersのHCとして別のSuper Bowl敗戦も経験した。2024年、28–3の敗戦に「取りつかれている(haunted)」という表現は違うとしながら、次のように振り返った。
"It hurts. It doesn't kill you."
(「痛みは残る。でも、それで潰れるわけではない」)
Shanahanは、敗戦から多くを学び、コーチとして強くなったと述べた。また自分にとっては、49ersがKansas City Chiefsに敗れたSuper Bowl LIVの方がより苦しかったとも話している。[8]
8. 「28–3」がミームになった
試合後、「28–3」は説明を省いてもSuper Bowl LIを指す数字になった。Patriotsファンによる勝利の記念と、Falconsへのからかいの両方に使われ、日付の3月28日も非公式な記念日のように扱われた。[7]
2021年3月28日にはBrady自身が「Happy 3/28」と投稿したとCBS Sportsが報じた。スコアがミームとして長く残ったのは、25点差という大きさだけでなく、逆転がSuper Bowl史上初の延長戦とサヨナラTDまで続いたためである。[7]
「28–3」はPatriots側から見ればBradyとBelichick時代を代表する頂点の一つであり、Falcons側から見れば目前だった初優勝を失った記憶である。同じ数字が歓喜と痛みの両方を表すことが、この試合を単なる大逆転以上の物語にした。